カラオケ喫茶で利益を生みだすために 必要な三本柱
カラオケ喫茶をはじめたら、フードメニューを増やして
モーニングもランチも提供したいな。
ひとりではムリだから、バイトさんも募集しよう!
えっと…ちょっと待ってフッくん!
まずは「カラオケ喫茶での利益はどのくらいあるのか」
試算しながらすすめて行かないと経営に失敗してしまいます。
”フードメニュー”や”バイトさん”のことを考えるのは
そのあとにしましょう!
カラオケ喫茶経営から利益を生み出す要素は、大きく分けて3種類あります。
- カラオケ
- 珈琲(ドリンク)
- フードメニュー
この3種類がカラオケ喫茶で利益=儲けを生み出す『三本柱』となります。
ではそれぞれの”儲け”はいくらになるの?そこを深掘りしてみましょう!
それぞれの儲けは?
カラオケ喫茶で利益を生みだす三本柱、カラオケ/珈琲/フードメニューについて。
下記の項目ではわかりやすくするために、一日10人のお客様がご利用した場合を仮定してシミュレーションしてみますね。
カラオケ
◆まず、カラオケの料金設定は①か②のどちらかの選択になるかと思います。
① 1曲100円
② 歌い放題ドリンク付きの定額制
◆たとえば一日10人のお客様がご利用 × 一月25日営業した場合
①の場合、1曲リクエストするたびまたは1曲歌うたびにチケットを切ることになります。
弊店近所のカラオケ喫茶では、1曲100円という料金設定のお店がほとんどです。
では実際何曲くらい歌うのか?
カラオケ喫茶をはしごしているお客様をリサーチしてみると
5~6曲が平均とのこと。
ここでは1人5曲として考えてみます。
1人5曲 × 10人/日 × 25日営業/月 =125000円
②の場合、ここでは歌い放題ドリンク付き¥1000と設定してみます。
1人1000円 × 10人/日 × 25日営業/月 =250000円
カラオケの経費は、リース料月50000円と仮定します。
そうして試算してみると利益は下記のとおりです。
①の場合 125000円 - 50000円 =利益75000円
②の場合 250000円 - 50000円 =利益200000円
②の場合はドリンク代が込みと考えましたので
次『珈琲』の項目では①のみシミュレーションしてみます。
珈琲 (ドリンク)
①の場合のドリンク代、1杯500円×10人/日と考えると。
500円×10人/日×25日/月=125000円
昔は珈琲って1杯350円~400円と、とても安かったですよね。最近では1杯500円~600円程が相場です。アレンジ珈琲なら600円以上でも良いと思いますが、客層が60代以上となるカラオケ喫茶では実際、珈琲を好んで飲む方もそれほど多くないです。弊店の傾向をみるとコカコーラ・トマトジュース・野菜ジュース・烏龍茶・紅茶なども珈琲と同じくらいよく出ますので、ソフトドリンクの品ぞろえは必要です。
以上の考え方をすれば①の場合も②の場合も利益に差は出ません。
しかし、それぞれメリットとデメリットがあります。
カラオケの料金設定からわかる、メリットとデメリット
① 1曲100円とした場合
たくさん歌ってもらえればその分が利益となる。またドリンク代も別途発生するため単価の高いドリンクをご注文してもらえればその分利益となることがメリット。
お客様がまったく歌わなかった場合、または2~3曲しか歌わなかった場合、カラオケのお客様で込み合っていて多く歌えなかった場合など、利益が伸びずデメリットとなる。
② 歌い放題ドリンク付きの定額制
お客様が歌わなかった場合、または2~3曲しか歌わなかった場合、カラオケのお客様で込み合っていて多く歌えなかった場合なども、定額料金は確保されていることがメリットとなる。
また追加料金を気にせずたくさん歌えるので、お客様がたいへん喜んでくれます。これが定額料金の最大のメリットと言えます。弊店も定額料金としているため、気兼ねなくたくさん歌えるという理由でご来店されるお客様はとても多いです。
逆に店側の視点で考えると、たくさん歌っても追加料金が発生しないため利益が伸びないとことがデメリットになります。
フードメニュー
☆『ランチ』について考えてみます。
カラオケ喫茶経営を始める前に、よくこんな話しを耳にしていました。
- ランチを提供しないと客単価があがらない
- ランチを提供しないと儲からない
いざ自分がカラオケ喫茶経営にかかわってはじめてこの意味が理解できました。
仕入から下処理、鮮度管理からご提供そして片付けまで考えると、とても労力の必要な『ランチ』ですが、実際どのくらいの利益となるのか数字にしてみてみましょう。
弊店のような極小の店でも1日5食~10食のランチが出ていましたので
(コロナの影響が出る前の話しです…)
仮にここでは8食/日として考えてみたいと思います。
また1食1000円の場合、1食800円の場合と1食700円の場合
この金額の差がどのような結果になるのかもぜひみてください。
- ランチ1食1000円の場合 × 8食/日 × 25日/月 =200000
- ランチ1食800円の場合 × 8食/日 × 25日/月 =160000
- ランチ1食700円の場合 × 8食/日 × 25日/月 =140000
どうでしょうか。
たかが数百円と思ってみても一月の合計にしてみるとこれほどまでに違いがでてきます。
ここでは例としてわかりやすく切りの良い数字で表していますので
20人/日の集客が見込めるならこの例で表した数字の、約倍の売上と考えて良いと思います。
ちなみに弊店のカラオケ喫茶では、客単価1400円~1500円 。Max12席の極小店です。
☆『ランチ』のご提供を始めるタイミング
カラオケ喫茶経営がスタートしたら、客層やお客様の入り具合に合わせたランチメニューを考えていくことをオススメします。最初からランチを用意しても客層のニーズに合わなければロスとなってしまいますし、一度メニューに掲げてしまうとすぐに変更もできず労力がムダとなってしまいます。お客様のニーズにそえるランチメニューがみえてきたら、そのタイミングで本格的にランチのご提供を始めるのがベストです。
また原価計算は、「仕入れ値」÷「必ず出ると想定できる数量」で計算をすることです。
たとえば、8食分の食材を2000円で用意した場合。
8食分すべて完売できるわけではないので、
最低でも5食は出ると想定できるなら
2000円÷5食=1食の原価400円
と考えるべきです。原価がこのように400円となったならば
1食の料金は最低でも1000円以上をオススメします。
ランチメニュー単価は原価の2.5掛け~3掛けが理想です。
1食1000円/原価400円のランチが5食売れた場合
5食5000円/原価2000円
原価2000円も回収できて、利益は3000円となります。
25日営業すると、3000円×25日=75000円 の利益ということです。
実際にとても安価でランチを提供しているという方が、このブログを読んでくれているのならば
ぜひ単価の見直しをご検討してみてください。
必要な三本柱からみえてくるもの まとめ
実際にどのくらいの利益をだせるのか心配になってきちゃった…
お店をはじめてから、徐々に考えるようにしよう~
最初は気合が入って、バッチシそろえたくなる気持ちもとても
よくわかります!しかし薄利益なカラオケ喫茶経営ですから、
慎重に、そして上手にすすめていきましょう!
カラオケ喫茶の三本柱、いかがでしたでしょうか。
”三本柱”なので、カラオケ喫茶経営にはどれも必要な要素となります。
◎カラオケの料金設定について。
1曲100円という設定にするのか、歌い放題の定額制とするのか。
それぞれにメリット・デメリットがあります。
◎珈琲・ソフトドリンクは1杯500円~とし、品ぞろえも必要。
◎フードメニューは全体的な客単価をあげる要素にはなりますが
仕入からメニューご提供そして片付けまで、とても大きな労力が必要です。
カラオケ喫茶経営を始めた後に、徐々にメニュー展開していくことをオススメします!
最初にガツンとそろえてしまっても…
”美味しいフードメニューがあります!” ってことも周知されるまでには時間も必要ですし。それに少しでもロスを抑えていくことは薄利益なカラオケ喫茶経営にとって必須です。
ぜひ参考にしていただけたら嬉しく思います。
最後までお読みくださりありがとうございました。サチコ
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